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検証

検証

以下はすべて、サーバへの往復ではなくビルド時の失敗になります。

  • メソッドが存在し、仕様どおりに綴られていること
  • 引数がそのメソッドのものであり、メソッドが要求する型であること
  • 結果参照が先行する呼び出しを指し、その呼び出しのメソッド名を正しく名指し、参照先の引数が受け取れる値を選んでいること
  • レコードのプロパティを読む結果参照が、参照先の呼び出しが取得するプロパティを読んでいること。properties を subject だけに絞った呼び出しに対する /list/*/threadId は、サーバ上では何も選ばずに終わります
  • フィルタ条件が、クエリ対象の型に照らして検証されること。ANDORNOT の中に入れ子になったものも含みます
  • properties がその型の持つプロパティを、bodyPropertiesEmailBodyPart の持つプロパティを指していること
  • ヘッダフィールドを指すプロパティが、仕様の定めるパース形式を要求していること。header:List-Id:asText は文字列に、header:To:asAddresses はアドレスのリストになります
  • PatchObject が、パッチ対象のレコードが実際に持つプロパティを指し、正しい型の値を設定していること。キーの書き方は RFC 8620 に従います。ポインタ先頭の / は暗黙なので、キーワードを立てる位置は /keywords/$seen ではなく keywords/$seen です
  • sort がその型で実際にソートできるプロパティを指し、hasKeyword のような比較子が要求する追加メンバを与えていること
  • 仕様が値を固定しているプロパティに、その値のいずれかが与えられていること。文字列の値と、参加者の roles のような集合のキーの両方が対象です
  • id、日付、整数の形式が正しいこと
  • リクエストが宣言するケイパビリティが、呼び出すメソッドを網羅していること
  • _watches が指す呼び出しが、ある状態からの変更を報告するものであり、そこから進む状態がリクエストに書き込まれずループに委ねられていること
  • _pages が指す呼び出しが、より長い答えの一部を返して残りの位置を報告するものであり、次のリクエストの開始位置がループに委ねられていること

綴り間違いには候補が提示されます。

requests/BadQuery.jmap.json: methodCalls[0].arguments.filter.hasAttachmnt: EmailFilterCondition has no property "hasAttachmnt" did you mean "hasAttachment"? requests/BadQuery.jmap.json: methodCalls[1].arguments.#ids.name: the referenced call is Email/query, but the reference names Email/get call "c0" invokes Email/query

パラメータや call id の名前だけが違う2つのリクエストは、同じリクエストを2度書いたものです。 jmapc はこれを失敗ではなく通知として伝えます。

jmapc: ListArchiveEmails, ListInboxEmails are the same query under different names; one of them would do for all of them

両方とも生成はされます。1つのリクエストに2つの名前を付けたいこともあるからです。 知らせるのは、名前の数だけ生成される型が増えるためです。

jmapc check は、何も書き出さずに検証だけを実行します。

サーバ側にしかない情報

ここまではすべて、仕様が定めていることです。 仕様がサーバに委ねていること —— どのケイパビリティを持つか、どのアカウントを持つか、一度のリクエストでどれだけ受け付けるか —— は、ビルド時には分かりません。 JMAP については正しく、実行対象のサーバについては間違っているリクエストは、実行時に失敗します。 -session は実行中のサーバに対して検査します。

jmapc check -session jmap.example.com -token $JMAP_TOKEN checked 25 queries against https://jmap.example.com/api/, as someone@example.com

報告するのは次のものです。

  • リクエストが宣言していて、サーバが広告していないケイパビリティ
  • リクエストが名指していてセッションが持たないアカウント、そのケイパビリティの primary account がなくセッションが埋められないアカウント、呼び出しに必要なものをサポートしないアカウント
  • maxCallsInRequest を超える呼び出し数、maxObjectsInGet を超えるレコード数、maxObjectsInSet を超える変更数、パラメータを埋める前から maxSizeRequest を超えるリクエスト
  • サーバが文字列の比較に使えない collation

リクエストが呼び出し側に委ねているものには触れません。 id のリストを表すパラメータは何個にでもなり得るので、そこを推測すれば、問題のないリクエストを問題ありと報告することになります。

そのパラメータが実際に何になったかは、実行時に検証されます。 リクエストが符号化されてサイズが確定した後だからです。 maxSizeRequest を超えるリクエストは、送る前に拒否されます。 セッションが広告していないケイパビリティを宣言したリクエストや、maxCallsInRequest を超える呼び出しを持つリクエストと同じ扱いです。 サーバはこれらに 400 で答え、その 400 はどの再送方針でも送り直されないので、往復する意味がありません。 サーバが受け入れる量を実際より小さく報告する場合は、jmapc.WithoutPreflightChecks でこれらを止められます。

セッションの URL だけは環境変数から読みません。 -token-user$JMAP_TOKEN$JMAP_USER にフォールバックします。 ネットワークに出る検証は、周囲にたまたま設定されているものによってではなく、コマンドラインでそう言われて出るべきだからです。

エディタ対応

上の検証は jmapc を走らせたときに実行されます。 その多くは、リクエストを書いている最中に走らせることもできます。 ファイルそのものに対する検証だからです。 そしてスキーマを名指しした JSON ファイルなら、エディタは検証も補完もすでに知っています。

jmapc schema -out jmapc.schema.json

これがカタログの JSON Schema を、ベンダ拡張も含めて書き出します。 リクエストファイルからそれを指すか、

{ "$schema": "../jmapc.schema.json", "methodCalls": [["Email/query", {"filter": {"inMailbox": "{{mailboxId}}"}}, "search"]] }

エディタ側からまとめて指します。 VS Code なら次のとおりです。

{ "json.schemas": [ {"fileMatch": ["*.jmap.json"], "url": "./jmapc.schema.json"} ] }

どちらでも、エディタはメソッド名を補完し、そのメソッドが取る引数とその型が持つプロパティを提示し、綴り間違いをその場に下線で示します。 AND の中に入れ子になったフィルタも外側と同じように検証され、比較子はその型が実際にソートできるプロパティを提示し、{{パラメータ}} は値が置ける場所ならどこでも受け付けられます。

スキーマに言えないのは、他の呼び出しに依存する部分です。 結果参照が先行する呼び出しを名指し、引数が受け取れる値を選んでいるか、そこは jmapc の仕事のままです。 エディタはビルドの代わりではなく、その手前の1段だと考えてください。

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